今回は不動産投資の現場で重要な指標「NOI(営業純利益)」について、NOIの意味や計算方法、そしてそれをどのように投資判断に活かすかを解説しようと思います。
1.NOI(営業純利益)って何だ?
NOIは、物件が実際に生み出す収入から、運営に必要な経費を差し引いた残りの利益のことです。
【NOI = 年間家賃収入 – 年間経費】
- 収入の部分
物件の家賃収入や、その他の収入 - 経費の部分
物件の管理費、修繕費、税金などが差し引かれます。
NOIは家計簿でいう「手取り収入」のようなもの。物件がどれだけ儲かっているかをチェックする数字とも言えます。
2.例えばこんな感じ
具体的な数字を使ってNOIの計算をしてみます。
- 年間家賃収入:1,000万円
- 年間経費:300万円
この場合、NOIは1,000万円 – 300万円 = 700万円 になります。この物件は700万円の「手取り収入」があるというわけです。
また、NOIを「還元率(キャップレート)」で割って物件の価値を計算する方法もあります。
価値の計算方法
物件の価値 = NOI ÷ 還元率(キャップレート)
NOIが700万円で、還元率が7%(0.07)の場合、物件の価値は:
物件の価値 = 700万円 ÷ 0.07 = 1億円
この計算から、NOIが高いほど、また還元率が低いほど物件の価値価値が高くなることがわかります。
3.NOIを活用した投資判断のポイント
NOIは、不動産投資の判断材料として、さまざまな視点から活用できます。
- 収益性の判断
経費を差し引いてもしっかり儲かる物件は、投資として魅力的です。 - 還元率との関係
還元率は、投資家がどの程度の利回りを期待しているかを示す数字です。一般的に、将来のNOIが上がると予想される物件は、低い還元率でも購入されやすくなります。つまり、投資家は物件の将来の成長性を見越して、現時点のNOIだけでなく、今後の変化も考慮に入れて判断します。 - リスクと成長性のバランス
不動産投資は、株や債券と比べると中間的なリスクと考えられています。NOIを参考にすることで、将来的なキャッシュフローの安定性や、物件の成長性を評価しやすくなります。もしNOIが年々増えていれば、その物件は将来価値が上がる可能性が高いと判断できます。
4.まとめ
今回はNOIの基本的な意味、簡単な計算例、そしてNOIをどう使って投資判断するかについてお話ししました。
- NOIは、物件がどれだけ「稼げているか」をシンプルに示す大事な指標です。
- 投資判断においては、NOIだけでなく、還元率や将来の成長性、リスクのバランスも考えることが大切です。
不動産投資は数字だけでなく、市場の動向や物件の特徴も大事なポイント。この記事が、不動産投資に興味を持つ皆さんの参考になれば嬉しいです。