1.レバレッジって何だ?
「レバレッジ」とは、手元にある現金だけでなく、借り入れを利用して投資効果を高める仕組みのことです。例えば100万円の現金に対して、200万円の借入れを組めば、合計300万円分の不動産に投資でき、その分利益が増える可能性があります。専門家は「レバを効かせる」とか「あまりレバが効かない案件だ」とか「このレバは半生でうまいね」といったように使います。
今回は不動産投資における「レバレッジ」の使い方や、その効果についてお伝えしてみようと思います。
2.現金があっても借り入れした方がいい?
年配の方には、借り入れは絶対悪だと子や孫に家訓として伝え、その影響を受けている経営者も多くいるかと思います。この教えには、金利を支払うことのばかばかしさや、貸しはがしが起きた時のリスクに備えるなどの意味が込められているかと思います。
普通に考えれば手元にある現金以上の借り入れは危険な気がしますが、実は借り入れを活用することで、より大きな物件や複数の物件に投資でき、結果として投資効率(利回り)が向上する場合があります。
2-1.なぜなら…
- 借り入れを利用すると、自己資金だけでは手が届かない大規模な物件に投資でき、収益が拡大するチャンスが広がります。同時に複数物件の所有も可能となります。
- さらに、金融機関が物件を担保として評価するため、借り入れリスクがある程度抑えられる点も魅力です。
- 例えば、自己資金100万円で投資する場合と、100万円に加えて200万円の借入れで300万円分の物件を購入した場合を比較すると、物件から得られる年間収入(家賃収入)が同じ条件だとすると、借入れを活用した方が自己資金に対する収益率が3倍になる可能性があります。
3.不動産投資ならではのレバレッジの魅力とリスクヘッジ
上記でも述べましたが、不動産投資の大きな特徴として実物の建物や土地が担保になるため、借り入れを安全に利用できるという点があります。
- 実際の資産が担保となることで、金融機関は慎重な評価を行い、リスクがある程度軽減されます。この点、株やFXはレバレッジを効かせてしくじるとえらいことになります。
- そのため、株式投資で使われるレバレッジと異なり、不動産は安定した資産価値を保ちやすく、経済状況が変動しても安心感があります。
4.レバレッジが効いているかどうかの判定方法
不動産投資では、毎年の営業純利益(NOI)と、その物件に払う金額の比率である「還元率(キャップレート)」が、物件の価値を決める大きな要ポイントです。基本の計算式は以下の通りです。
【基本計算式】
物件の価値 = NOI ÷ 還元率
例えば、ある物件の年間NOIが60万円、還元率が6%の場合、その物件の価値は:
60万円 ÷ 0.06 = 1,000万円
となります。
ここでレバレッジ(借り入れ)を活用すると、少ない自己資金でもより大きな物件に投資できるようになります。具体例で見てみましょう。
4-1.例えばこんな感じ
【シナリオA:現金のみの投資】
・自己資金:100万円
・物件購入時の還元率:6%
・この場合、物件購入に伴う年間NOIは、100万円 × 0.06 = 6万円
→ 年間収入は6万円で、自己資金に対する利回りは6%です。
【シナリオB:レバレッジを活用した投資】
・自己資金:100万円に加えて、200万円を借りて、合計300万円分の物件を購入
・同じ6%の還元率なら、物件全体の年間NOIは、300万円 × 0.06 = 18万円
ただし、借入れには金利がかかります。仮に年率2%なら、200万円 × 0.02 = 4万円の利息が発生します。
そのため、実際に手元に残る純利益は:
18万円 - 4万円 = 14万円
この場合、自己資金100万円に対する実質利回りは:
14万円 ÷ 100万円 = 14%
となり、現金だけの6%より大幅にアップします。
4-2.将来の成長とそれに伴う変化
例えば、購入時は6%のキャップレートであっても、将来の市場では要求利回りが7.5%になる可能性があるとします。
・もし年間NOIが60万円なら、購入時の価値は 60万円 ÷ 0.06 = 1,000万円
・しかし、将来の要求利回りが7.5%だと、同じNOIで買い手は 60万円 ÷ 0.075 = 800万円 しか払わなくなるかもしれません。
この差が、将来の成長性やリスクを考えるときの大事な指標になります。
まとめると、レバレッジの効果を見極めるには、以下のポイントをチェックします。
- 物件のNOIと還元率で基本の価値を計算する
- 借り入れのコスト(金利など)を差し引いた後の実質キャッシュフローを確認する
- 将来のNOIの成長や、市場の要求利回りの変化も考慮する
これらの計算を使えば、借り入れを活用した際に自己資金に対する収益率がどれだけ向上するか、そして将来の市場環境もどう影響するかが、はっきりと分かります。投資判断の参考に、ぜひこの方法を活用してみてください。
5.まとめ
今回はレバレッジの基本とその活用メリット、さらに借り入れがもたらす具体的な効果について解説しました。
- レバレッジを上手に使えば、少ない自己資金でも大きな投資効果を得ることができ、投資効率が向上します。
- 不動産投資は担保があるため株式投資に比べて安全性が高く、金融機関の評価によってリスクが軽減される点が大きな魅力です。
- 具体例で示したように、借入れを活用することで、収益率が大幅に改善される可能性があります。
以上、皆さんの投資判断の参考になれば幸いです。