今回は不動産投資を考えるときに役立つ「IRR」と「NPV」という2つの大切な考え方についてお伝えしようと思います。ハードルが高い…計算が難しそう…な言葉ですが、マスターすれば投資判断の際に強力な味方になってくれます。
しかも今はChatGPTなどのAIツールの登場により、必要な数値を入力するだけで複雑な計算を自動で行えるようになりました。つまり、IRRやNPVの計算を取り入れるハードルは大幅に下がっているのです!
chatGPTなどのAIに、①物件を買ったときの金額②所有している期間の実質の収入(マイナスならば支出)を各年分、③売った時の金額、④目標利回り(NPV測定用)を打ち込んで、IRRとNPVを計算してと指示すれば、計算してくれます!!
この機会に投資家としてレベルアップしたい方はぜひ活用してみてください。
1. IRR(内部収益率)って何だ?
1-1. IRRの基本
IRRは、投資したお金がどれくらいの割合で増えるかを示す数字です。例えば100円を使って何かに投資し、その投資から将来にわたってお金が収益を得るとします。IRRは、その収益を得るお金を含めて投資利回りを測定する数値です。
考え方としては、「もしこの投資がこの割合で利益を生み出すなら、あなたのお金はちょうど元通りになる」という考え方が根拠となっています。アメリカのとても頭がいい人たちが考えた計算式で、あまり意味がわかりませんよね。
*参考まで
IRRは、以下のNPV(正味現在価値)の式を用いて計算されます。
NPV = Σ [CFt / (1 + IRR)^t] - 初期投資額 = 0
ここで、
t:期間
NPV:正味現在価値
CFt:t期のキャッシュフロー
IRR:内部収益率
1-2. 例えばこんな感じ
100円の投資で、1年後に120円、2年後に130円がもらえるとします。IRRは、この1年目と2年目のお金を今日の価値に換算したときに、100円の投資がどのくらいの割合で増えたかを表す数字になります。
IRRが高ければ、投資したお金がたくさん増えていることを意味します。
2. NPV(正味現在価値)って何だ?
2-1. NPVの基本
NPVは、「未来に得られるお金」をすべて今日の価値に直して、その合計から初めに使ったお金を引いた数字です。
もしNPVがプラスなら、その投資で利益が出るということ。逆に、マイナスなら損をしていると判断できます。
2-2. 例えばこんな感じ
例えば100円投資して、来年は50円、再来年は60円がもらえるとします。この50円と60円は未来のお金なので、時間がたつとその「価値」が少し小さくなると考えます(これを「割引」と言います)。
NPVは、次のように計算します。
① 各年のお金を「割引率」という数字を使って、今日の価値に直す
② その直したお金を全部足し合わせる
③ そこから最初に投資した100円を引く
もし計算して出た数字がプラスなら、投資して利益が出ると判断できます。(「割引率」の計算は複雑怪奇なので今回は割愛します。詳しくはこちらの記事で紹介しています)
3. IRRとNPVを使った投資シナリオ
マンションを購入するために3,000万円の投資をすると想定して、IRR(内部収益率)とNPV(正味現在価値)の計算をしてみます。実際の投資判断ではもっと多くの要素が関わりますが、あくまでシンプルな例として軽い気持ちで見てくださいませ。
■ 予想される家賃収入
このマンションを賃貸に出すと、
・1年目に1,800万円の家賃収入
・2年目に1,900万円の家賃収入
が見込まれるとします。
■ 割引率の設定
日本では金利が低めであることを踏まえ、ここでは年率5%の割引率を使って計算します。割引率とは、将来のお金の価値を「今の価値」に直すための数字です。
■計算の手順
- 1年目の家賃収入の現在価値
1年後の1,800万円を、年率5%で現在価値に直します。
計算式は以下の通りです:
現在価値 = 1,800万円 ÷ (1 + 0.05)
= 1,800万円 ÷ 1.05
≒ 1,714万円 - 2年目の家賃収入の現在価値
2年後の1,900万円は、次のように計算します:
現在価値 = 1,900万円 ÷ (1 + 0.05)²
= 1,900万円 ÷ 1.1025
≒ 1,723万円 - NPV(正味現在価値)の計算
1年目と2年目の現在価値を合計し、初期投資額から引きます。
合計現在価値 = 1,714万円 + 1,723万円 ≒ 3,437万円
NPV = 合計現在価値 − 初期投資額
= 3,437万円 − 3,000万円
= +437万円
この結果、NPVがプラス(+437万円)になっているため、投資全体で437万円の利益が期待できるということになります。
■IRRの計算
IRRは、NPVがちょうどゼロになるような割引率のことです。
この例では、もしIRRが6%だった場合、マンション投資により年率6%の利益が出るという意味になります。
実際のIRRの計算はNPVの計算と似た考え方で、いくつかの割引率を試して「NPV=0」になる値を求めます。
■結果
・今回の例では、3,000万円の初期投資に対し、1年目と2年目の家賃収入を5%の割引率で現在価値に直して計算しました。
・NPVがプラスである(+437万円)ため、投資としては利益が見込めると判断できます。
・IRRは、こうした将来の収入を「どれくらいの利率で利益に変えるか」を示す指標で、投資判断の重要なツールとなります。
4. まとめ
どうでしょう、今回の計算例でイメージはつきましたでしょうか?ちなみに今回の計算は全てChatGPTにやってもらいました。今回はシンプルな例でしたが、実際自分で計算するとなかなか大変そうですよね。
改めてIRRとNPVについてまとめると、
- IRRは、投資で得られる年間成長率を示した数字です。
- NPVは、未来のお金を今の価値に直して、投資全体の得失を示す数字です。
これらの計算を使えば、投資がうまくいくかどうかを数字で判断できるため、正確な投資判断に役立ちます。感覚に任せた投資で失敗する人が一人でも減れば幸いです。